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ピンチを乗り越えてからフリーランスの
Webデザイナーとして意識してること

Jun 8 2015

2013年7月4日にフリーになったので、今年で12年になりました…。
これまでで最大のピンチは、7年目位に起こったリーマンショックの煽りを受けて、6ヶ月ほど無給に近かったことです。
6ヶ月、色々な試行錯誤をして、何とか立て直した上で、単価を上げることができました。
その時やったこと、今も意識してることを書いておきたいなと思いました。

デザインを広い意味で捉えて、できることを増やす

ピンチだった当時はワイヤーフレームがなければ、作業ができないスキルだったため、「ビジュアルデザイン」以外何もできなかったです。

さらにiPhoneが登場したこともあって、技術やデザインの立ち位置が大きく変わる時期だったため、 リーマンショックだけでなく、私自身の技術が必要とされるものからズレていました。

ので、「デザイン」をもっと広い意味で捉えられるようになりたいと考え、構成案を作る仕事もスタートさせ、現在は何を作りたいか聞きながら、構成からデザインまで要望があれば対応可能になりました。

その結果、エンジニアの人が社内にいるためシステムやフロントエンドに強いけれど、表側をどう見せるかがわからないので…依頼をいただくことが増えたと思います。

提出したデザインの意図・長所・短所を説明できる

特にビジュアルデザインは、言葉の説明がないため、センスやフィーリングで制作していると思われがちです。
が、クライアントに呼ばれた以上「どう見る人に感じてほしいか」という要望が必ずあり、デザイナーはその要望に沿ってデザインを形成するレイアウト・色使い・書体を膨大な見せ方の技術から選択します。
そのため必ず「意図」が存在し、選ばなかった技術がある以上、「長所」「短所」が存在します。

この説明できることで提出したデザインをクライアントに理解してもらえるようになり、色々なことがスムーズに運ぶようになりました。

あらゆるドキュメントを作る

デザインは、制作物だけを見るとすぐ出来てしまうようにも見えますが、その裏には膨大な試行錯誤・検証が隠れています
人によっては、この過程を見せたりしませんが、私の場合は、見えないものがわかるようになると、安心や納得につながりやすいため、極力プロセスを取っておき、場合によってはクライアントに見せたり、ドキュメントにしています。

デザイン完成に至るまでに出た案がなぜボツになったか、ロゴ制作をした場合の封筒やWebに入れた時のシミュレーション案にコメント、コーディングのガイドライン、デザインの仕様書など、見えない過程や成果をドキュメントにし、クライアントに見せることで納得感を得てもらえるようになりましした。

1年で新しいスキルを1つか2つ身につける

流れの速い業界なのでどうしても技術の賞味期限があり、そのままにしておくと先細ってしまいます。
自分が今後活動してく上で必要な一手を得るため、賞味期限が長い新しい技術か、デザインにこだわらずに必ず使える技術を1年で1つか2つ身につけるようにしています。

Web周りの技術で「やりたいこと」が見つかった場合、導入するメリットとデメリットをクライアントに伝えて、検討してもらっています。
ここ最近でSass・bootstrap・lessなどのフロントエンド技術とスマホサイトやスマホアプリの制作技術を身につけました。
また、「やりたい」という意思が伝わるので、思いもかけない技術でお声かけいただくことがあり、ありがたいです。

現在は1年位かけて、業務とは直接結びつかない技術を身につけるべく頑張っています。
ただ、一つのスキル取得に集中して、他のことをしないで1年超えるとWebの制作技術が追いついてこなくなるので、頑張りどころです。

お金を大事にする

フリーで制作をしていると、複数のクライアントの案件が同時になくなってしまったりすることがあります。
そんな時困らないよう、半年から1年程度生活できる資金と、収入からの貯蓄、また設備投資資金の積み立てを行っておくようにしています。
私の場合は、税金を一通り払い終える6月あたりまで派手な支出は押さえ込んで、大体の収入が確定する10月あたりに設備投資をどの位行うか決めます。
ピンチの時が続いたとしても生活資金と設備投資ができると、次に繋げやすいです。

収入先はできるだけ分散し、固定収入を見込む

上の段落とも結びついてくるのですが、複数の案件が同時になくなってしまうことがフリーでは結構あります。つまりは波があるので、固定収入があると、活動しやすくなります。
私は週2日、企業のさんの机で仕事をする契約を結んでいます。

色々な知見をもらえるし、フリーで見失いがちな「チーム」で仕事をすることの大切さもわかるので、大変ありがたいです。

また、収入を分散させることも大事なことだと思います。
ピンチだった時、ある1社のクライアントの方のキャンペーン仕事に依存していて、徐々に収束していくのを感じつつも何も対抗策を考えなかったことを反省して、現在は、できるだけ多くのクライアントに見てもらえる方法を考えるようになりました。

ビジュアルデザインのトレンドに敏感に

ビジュアルデザインは、ユーザに「情緒的な満足感」を得てもらいやすい手段だと思います。
例えば、サイトが新しく生まれ変わるったという印象を一番持ってもらいやすいのはビジュアルデザインです。
反対に、ほどよくトレンドを入れ込まないと手をしっかりと加えても「古い」「ワンパターン」という印象になってしまいます。

ので、どのくらい盛り込むかは、作るデザインの性質によりますが、ビジュアルデザインの流行はしっかり抑えておくようにしています。

営業はしない

ピンチの時に飛び込みの営業をしましたが、効果はありませんでした。
ある意味、先方の需要を見極めずない状態で一方的に技術を売りつけにきてるのですから当然といえば当然だと思います。先方の時間を無駄にしてる感もありますし。
色々なフリーの人が書かれていますが、自分で情報を発信することの方が身につくことが多く、たとえば、実績を公開しておくこと、ブログを書くなどの方が効果があるかと思います。
特にブログは昔、あんまり見ないだろうなあと思いつつも、好きなサイトの長所短所を紹介する記事をひたすら書いていたのですが、そこから「同じ感覚で仕事がしやすそう」ということで依頼をもらったことがあります。

また、日々の制作にベストを尽くして前向きに取り組むことというのも、次の依頼の声かけをしてもらうために大切なことだと思います。

以上になります。

基本的にデザインが好きでここまでやってこれた感じがしています。
これからもクライアントの要望に沿って、一緒に良いものが作れたら、嬉しいなと思います。